国立ハンセン病資料館見学
秋の三連休は「らしからぬ」天気でありますが、訪問がない日曜日、国立ハンセン病資料館に行ってきました。
清瀬市と接した東村山市。目的地をもって行くのは初めてです。このあたりの市部は埼玉県なんだか東京都なんだか、近いのによく知らないエリア。武蔵国はとても広い!
余談で、ムサシって何よと漢字をしげしげ見ると、武の蔵なのですね。古代には東国。ヤマトが武人=猛々しい人々を恐れた地ということ?(想像です)。
さて、かつて無辺の雑木林だったその地に、国立ハンセン病療養所と国立病院機構 東京病院と複十字病院、巨大な医療施設が「並んでいます」。国立看護大学校も近い。
清瀬市…?🧐
事情を知らないまま、国立ハンセン病資料館は静かで美しい施設です。必見です!!
学芸員さんの解説の時間にちょうど当たり、「癩」は差別用語で今は使いません、と。個人的にライという音に蔑を含んで発するのはむずかしく感じます。雷鳥や雷鳴がまず浮かぶ現代人。
なかったことにされた時代を生きている
からこそ資料館で残さなければならないわけですね。わりと最近まで国内に「収容所」があったことを。
ハンセン氏が発見した癩菌は感染力がとても弱い。にも関わらず、患者を隔離する政策が取られたのは、感染症との戦い方が未熟だった故でしょう。公衆衛生の元は疫学です。伝染病は恐れるべきですけれども、国家で隔離するのが間違いだと、資料たちは語るのです。
らいと呼んでもハンセン病と呼んでも、この感染症が何故かくも激烈な差別に遭ったのか。それはここで丁重に葬られた謎となります。資料館で、それはわかりません。資料館の意思は、
隔離政策が誤っていた
ことにフォーカスしています。人権の問題なのです。当事者の方々の永年の努力に敬意を表します。

